ICO ー霧の城ー [最近読んだ本]
ヨルダは少年の手をとった。
つないだ手から流れ込む新たな力が、
つい先ほどの悲壮な覚悟、悲しい決意を押し流し、記憶を洗い、
ヨルダという器を満たし始める。
まさか。こんなことが。
しかし少年は確かにそこにいて、瞳を瞠ってヨルダを見つめている。
ヨルダは確信した。
わたしを通して、わたしの記憶がこの子にも伝わるのだ。
くっきりと蘇った過去、“霧の城”がたどってきた歴史と、
封じ込められてきた暗い出来事の数々を、
少年も知ろうとしているのだ。
「ICO ー霧の城ー」宮部みゆき~より
ゲームを元にして書かれた小説で、
迷路のようなお城の構造の説明が、かなり長くて
ダンジョンのつらいゲームなんだろうなぁと思いながら読みました。
闇の魔女の娘、ヨルダと
ニエの少年、イコを描きました。
神話的な世界観がとても美しいお話でした。